中西統合獣医学
中西統合獣医学への取り組み
人と同様、ここ20数年程で獣医学も様変わりしてワンちゃんが番犬として飼われていた時代では「老い」という概念もなかった様な気がしますが、現在では家族の一員として10年以上生きる事が当たり前のようになってきました。
同時にアンチエイジング、リハビリや介護という言葉をよく耳にするようになりました。
西洋医学でカバー出来ない領域を中医学でカバー出来ればという中西結合医療の考え方を実践することを心がけ、西洋医学的な診断を明確に行えること、中医学的には四診をしっかり行えるように出来るだけよく体に触れ、視ることを意識して違いを感じ取ることが出来るようにまた、本来持っている自然治癒力を大切にしたいと考えています。
四診(ししん)による東洋医学検診
東洋医学では四診といって、獣医師の目や耳、鼻などをフル活用させ、動物の体に現れるサインを東洋医学的に診断します。
採血やレントゲンなど、動物に負担がかかる検査は一切しません。
例えば動物の臭いや肉球の状態、脈の状態でその動物の体質や未病などを診断し、漢方薬や経絡・ツボ、食養生などを用いて体質改善をはかります。
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問診(もんしん)
飼い主さんから普段のわんちゃんの様子や症状を聞きます。
生活習慣や食事を具体的に聞くことは、愛犬の体質や症状を特定することにつながります。 -
望診(ぼうしん)
動きや表情といったわんちゃんの様子を観察。更に目や舌の色をチェックして、体質を見極めます。
例えば、健康な犬の舌は淡紅色で、濃すぎる場合はストレスを感じている可能性があります。 -
聞診(ぶんしん)
体臭や呼吸臭などのニオイを嗅ぐことで体調をチェックします。
「疾湿(ちんしつ)」という体質の犬は代謝が悪く、ニオイが強くなる傾向にあります。悪臭がする場合は高脂血症の可能性があります。 -
切診(せっしん)
脈診:太ももの内側で脈拍を測るとともに、健康状態を確認します。風邪の引き始めなどは、軽く触っただけで脈を強く感じたりします。
腹診:おなかの張りや硬さから病気を診断、胃のあたりに水が溜まっているように感じるときは消化器系の異常が疑われます。
鍼灸治療
鍼灸治療について
東洋医学は悪い部分だけを治療するのでなく、体全体の気の流れをよくし、活性化させ整えることによって、自然治癒力を引き出し免疫力の向上が期待できます。
そのひとつに鍼灸治療をおすすめしております。
人間になじみのある治療方法ですが、近年動物への鍼灸治療が注目されています。
その子の状態に応じて様々な長さ、太さの鍼を用いて、体の表面にあるツボを刺激することにより、動物が本来持っている自然治癒力や免疫力を高め、健康な状態に戻していく治療法です。
加齢に伴う体力・免疫力の向上・アンチエイジング・高齢期のケア・QOLの向上、また、椎間板ヘルニア・整形疾患・腫瘍・神経疾患・内臓疾患・アレルギー疾患・皮膚疾患・ストレス性の疾患など対象疾患は多岐にわたります。
東洋医学的な弁証を行い、それぞれの症状に合わせた治療を行います。
体に冷えがみられたり、リラックス効果を高めるためにお灸を併せて行うケースも多いです。
もぐさを使用し、最初は緊張気味の動物達も、ポカポカ温まってくると少しずつリラックスした様子で治療に臨んでくれています。
鍼に敏感な子の場合はお灸やレーザー鍼でも効果が充分得られる場合もあります。
施術時の注意点について
- 時間のかかる診察・治療ですので時間に余裕をもって来院してください。
- 体に触れられる事を嫌がる子や攻撃性・狂暴性のある子は施術できない場合があります。その場合はレーザー治療等で対応させて頂きます。
- 妊娠中や重度感染症が疑われる場合、癌や肉腫など腫瘍性疾患を患っている場合にも施術できないことがあります。
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鍼治療の様子
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温灸の様子
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電鍼とレーザーを使用した治療の様子
鍼灸治療は完全予約制です
鍼灸治療は、午後1時から4時までの間に行っております。
事前にお時間を決めてご予約をお取りしますのでお電話をいただければと思います。
他院にてその病気の検査などを行っていれば、検査記録もご持参下さい。
漢方治療
漢方治療について
その時の動物達の状態を確認するために体質診断チャートにご記入頂き、東洋医学的弁証を行い、適切な生薬が配合された漢方薬を処方させて頂きます。
飲んで頂くタイプには錠剤やエキス剤がありますが、その子によってはどうしても飲めない場合もあります。その時は塗るタイプの漢方薬を処方させて頂きます。
お気軽にご相談くださいね。